2015年に劇場3部作としてアニメ化され、2015年から2016年までにかけて上映。2016年にはテレビアニメが分割2クールにて全26話放送。2017年には実写映画化を予定しており、その勢いは留まることを知りません。
今回は、そんな「亜人」について紹介していきたいと思います。
『亜人』の世界感
人間であり、人間ではない存在「亜人」
本作は、徐々に真実が明らかになる形式をとります。アニメ版の物語冒頭、舞台はアフリカの戦場から始まります。激しい戦闘の中で、少年兵たちはこう叫びます。
「さっさとぶっ殺せ!」
「殺しても死なねぇんだよ!」
「敵は一人だろうが」
「奴は、例の化け物か・・・」
後に米軍は、この化け物を捕獲します。これがもとで、世界は亜人の存在を公式に認めることになったのです。また、亜人が不死身の存在であることを匂わせます。
「亜人」とは、その名の通り、「人ならざる者」という意味。人であるにも関わらず死なない、不死身の存在。ですが、外見は人間と変わらないものです。
舞台は変わり、初夏の日本。本作主人公の永井圭は、一般の学生でした。彼の受ける授業の中でも亜人に関する事柄が教えられます。そこで先生はこう述べます。
「日本では2体の亜人が確認されている。だが、まだ発見されていない亜人もいるだろう。何せ、死ななければわからない訳だから。今、この場で亜人が存在する可能性も、ゼロではない。」
この言葉に、教室の空気が変わります。
その後、永井圭は学校の帰り道に即死になるほどの交通事故に遭い、死亡します。
・・・・・ですが、永井は息を吹き返し、誰もが死んだと思ったその場で何事もなかったように生き返ったのです。そう永井圭は亜人だったのです。
ここから、物語は急速に展開します。
亜人の魅力が分かる3つのポイント
実写さながらの美しい映像技術
亜人アニメの魅力はストーリー展開はもちろんのこと、3DCGを駆使したダイナミックで美しい映像にもあります。アニメを見ているのに”まるで実写の映画をみているかのような”感じにさせてくれます。
TVシリーズ「亜人」PV
亜人を中心とする相互監視社会の描写
出典:http://xn--o9j0bk9391akea.com/
亜人という存在は、恐怖と差別の対象です。ですが、自分が亜人であるかどうかは死なないと分からない。誰もが皆、爆弾を抱えた状態となるわけです。
もしかしたら、自分は亜人かもしれない。いや、アイツが亜人かもしれない。そういった相互不信が、人間の汚さを炙り出していくのです。
正義と悪魔が交差する物語
実はこの物語の面白さは、亜人だけではなく、むしろ登場人物の個性にあるといっても過言ではないでしょう。本作では常に、人は生まれながらにして善い存在だとする性善説と、悪しき存在だとする性悪説が対立します。その代表的な例が、永井と海斗の関係性です。
『亜人』主要登場人物の紹介
亜人に登場する主なキャラクターたちについてご紹介していきます!
永井 圭(ながい けい)<亜人>
本作の主人公であり、頭脳明晰で冷徹な判断をものともしない人物。
全国模試で1桁の順位を取ることができる天才で、母親から常に「立派な人間」になれと言われ、そう生きてきました。
周囲からは医者を目指して努力している勤勉な優等生として見られていますが、その本性は妹の慧理子から「クズ」と称されるほどエゴイスティック。物語が進めば進むほどに、永井のエゴが明確に表れてきます。
主人公らしくない主人公ですが、そんなエゴイスティックな部分が癖になるキャラクターとなっています。
海斗(かいと)
永井圭の幼少期からの友人。
ですが、永井は「立派な人間」になるために、海斗との友人関係を一方的に絶ってしまいます。そんな仕打ちを受けたにもかかわらず、海斗は疎遠になった後も圭のことを友人と思っており、永井が亜人であるということが発覚した時も変わらず接した唯一の人物でした。
前向きな思考を持ち、亜人に対して理解のある態度を示します。それは具体的には、亜人であると判明した直後の圭の逃亡を手助けしたり、自らの命に危険がおよぶ場面になっても永井を守ろうと奮闘する姿から読み取れます。
ですが度重なる生命の危険に見舞われたことから単身での逃亡を選んだ永井に置き去りにされ、その後、亜人の逃亡を幇助した罪により刑務所に収監されます。
何度も永井の裏切り行為に見舞われても、彼はひたすら永井の身を案じ、非常時には迷わず助けるつもりでいる。
このように、永井と海斗は正反対の個性を持っています。人間は生まれながらにして善い存在だとする性善説(海斗)と、悪であるとする性悪説(永井)のような関係性が交差するとき、視聴者も「自分は永井か、海斗なのか」と自問自答していくことになり、それが「亜人」の魅力の一つだといえるでしょう。
佐藤(さとう)/ サミュエル・T・オーウェン<亜人>
佐藤は偽名で本名はサミュエル・T・オーウェン。ハンチング帽をかぶった男性。並外れた判断力と戦闘能力を持っています。
頭が良く利己的な内面を持つ永井の言動や戦闘における作戦を気に入っており、彼との殺し合いを非常に楽しんでいる一面があります。様々な手段を用いて亜人の仲間を集め、ゲーム感覚で一般の人間社会に対して過激な行動を取ろうとする点も、佐藤の特徴の一つです。
佐藤というキャラクターは、本作と切っても切り離せないものです。当初は佐藤の行動目的が「亜人が静かに暮らせるコミュニティを作る」というものだと思われていましたが、実はその本性は、人間をゲーム感覚で殺すことを生きがいにしている猟奇的殺人者だったのです。
そのような猟奇性から生まれる言葉が、視聴者も恐怖させながらあ、ある種のカリスマ性を発揮しています。
佐藤さんの人気は、以下でも多く語られていることです。
http://inja369.hatenablog.com/
亜人佐藤の過去【戦闘が妙にかっこいい佐藤さんの強さの秘密】
http://manga-kuroyan.com/285.html
戸崎 優(とさき ゆう)
厚生労働省から派遣された亜人担当の職員。
意識不明で入院中の婚約者がいる。佐藤の暗躍を止めるべくさまざまな策を講じ、亜人への残虐な虐待を見ても顔色ひとつ変えない残忍な性格の持ち主。婚約者のことだけは大切に思っており莫大な入院費と治療費を支払うため、どんな汚い仕事でも行う。
下村 泉(しもむら いずみ)<亜人>
厚生労働省で戸崎の部下として動いている女性。
正体は「亜人」であるが、戸崎の活動に協力することにより、その庇護を受け世間に正体を公表されることなく過ごせている。黒い幽霊を操ることができ、本人はこれを「クロちゃん」と呼んでいる。
どこまでも戸崎を守ろうとし、戸崎のためならば自らの命を捨てても構わないと考えている。
田中 功次(たなか こうじ)<亜人>
2番目に日本国内で確認された亜人。
捕獲され国から非人道的な虐待実験を受けたため、人間に対し激しい憎悪の感情を抱いているが、佐藤と違い根からの悪人ではなく、元は普通の若者。研究機関から佐藤により救い出され、以後行動を共にする。黒い幽霊は頭部に抽象化された牙のような口をもち、手は鳥の足を思わせる鉤爪を持っているなど攻撃的な外見をしている。
オグラ・イクヤ
生物物理学者。
無精髭を生やし、飄々とした風貌の男。アメリカにおける亜人研究の第一人者。捕獲された永井圭の視察のため、来日する。
豪胆かつ厭世的な性格の持ち主であり、我が身を省みない大胆さを以って亜人についてかなりの研究を進めている亜人研究の第一人者。
何かを質問されると突飛な例え話を持ち出したり、殺気を放つIBMを目の前にしても全く恐怖を感じない変わり者。
来日後の混乱の末、戸崎に拉致され、亜人の情報を引き出すため拷問を受ける。左手指を三本失っても何も話そうとしなかったが、拷問当初から要求していた愛用しているタバコを吸わせるとそれと引き換えに戸崎への情報提供を行うようになる。
彼もまた人間性が欠落しているような部分があり、研究者としての猟奇性を発揮している存在です。
『亜人』アニメ&動画
《Facebook》:http://www.facebook.com/
《主題歌まとめ》:http://www.ajin.net/
▼「亜人」TVアニメ無料動画
亜人 第1クール→2016年1月から4月まで:全13話
亜人 第2クール→2016年10月から12月まで:全13話
亜人OVA《中村慎也事件》
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『公式サイト』
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『亜人』実写化(映画)
▼映画情報
監督:「本広克行」(PSYCHO-PASSなど)
公開日:2017年9月30日
公式サイト:http://ajin-movie.com/
公式SNS:https://twitter.com/
『亜人』漫画(コミック)
▼漫画(コミック)情報
作者:「桜井画門」
作者HP:https://twitter.com/(twitter)
連載誌:good!アフタヌーン
連載期間:2012年7月6日発売から連載中
<オンライン販売書店>
亜人 コミック 1-9巻セット (アフタヌーンKC)
まとめ
あらためて調べてみると、コミックから始まり、アニメ、実写映画など、亜人は様々なメディア・媒体に展開していますね。どれほどの人気かが分かります。
亜人は、単純な正義と悪の闘いではなく、私たちの心の中にある善と悪の葛藤を描き出している作品でもあります。目的のために冷酷な主人公や佐藤さん。それとは対照的な登場人物も出てくる中で、見ている側は「果たして自分はどちらに近い人間だろう」と考えることでしょう。
誰にでもある心の葛藤を、「亜人」という未知なる存在を通して表現しているのでしょう。ぜひ皆さんもご覧ください!
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