ネフェルピトーとは、『HUNTER×HUNTER』のキメラアント編に登場した敵キャラクターで、初登場はそれまで最強クラスだと思われていたヒソカやイルミよりもずっと強いような描写がインパクトとなり、容姿の素敵さも相まって大人気となったキャラクターです。
彼(彼女?)は三名いる王直属護衛軍の中で最初に生まれ、その圧倒的に禍々しいオーラは、一流のハンターであるカイトでさえも「化け物だ」「なんてことだ……信じられん」と思わず呟いてしまうほど。
そんなネフェルピトー、通称ピトーですが、最後の最後までハンターハンターの物語を盛り上げてくれた、最強クラスの敵キャラクターでした。ここでは、そんな素敵な敵キャラクターであるピトーの誕生から最期までをご紹介したいと思います!
王直属護衛軍の一人ネフェルピトーの誕生
王直属護衛軍で最初に誕生した
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キメラアント自体が、それまでのハンターハンターの流れからいって異質な存在であり、護衛軍と比べて遥かに格下の兵隊長クラスのラモットですら、ゴンのジャンケングーが致命傷にはならない程の防御力と戦闘能力を持っていました。
前編グリードアイランド編をクリアできる実力があるゴンとキルアですら、二人がかりでようやく念能力なしの兵隊長クラスを退くのがやっとでしたから、キメラアント編の最初の頃のゴンとキルアでは、単独では師団長はおろか、兵隊長ですらまだ倒すのが難しかったかもしれません。
さらに、この後キメラアント達も続々と念能力を開花させていきます。ただでさえ強いキメラアント達が、念能力を開花させていくという絶望的な未来しか予測できない状態の中、ついに生まれたのが王直属護衛軍の一人、ネフェルピトー(ピトー)でした。
圧倒的な存在感を誇るネフェルピトー
ピトーの初登場は、作品を楽しませる演出が上手い本作においても、本当に上手い描写でした。ゴンとキルアのタッグでも倒せなかったラモットが、念を覚えさらにパワーアップして調子に乗っていた時、今度こそパワーアップしたラモットを前にゴンとキルアはやられるのではないか? と誰もが思っていた時です。
突然、ラモットなんて比較にならない圧倒的なオーラを纏って現れたのが、猫と人間を混合させたような姿をしたキメラアント、ネフェルピトーでした。
そのあり得ない程の禍々しいオーラに、側で隠れて見ていたポックルは戦慄。それだけでなく、念でパワーアップしたラモットでさえ格の違いを見せつけられ、ピトーにはひざまずくしかありませんでした。
ポックルの脳を操作して情報を引き出すピトー
くそう……可愛い可愛いピトーにゃんの事知らない人ばっかりかよ!! pic.twitter.com/9KxP7IiH1S
— 東村ながせ@フレンズチホー65 (@nagase_higashi) 2017年4月1日
人間の感覚を遥かに凌駕するピトーは、キメラアントの巣に隠れて様子をうかがっていたポックルの存在に気づいていて、彼を捕獲します。そして、ただ殺すばかりではなく、彼の脳を操作して念能力の全容を知ります。
このポックルの脳をピトーが操作するシーンは、原作はあまりにも残酷でグロテスクな描写だったため、テレビアニメ版ではソフトな演出に差し替えられています。
キメラアント編の序盤はグロテスクな描写が多いので、アニメではこの時期だけ深夜枠に移動した程でした。
ピトーはかわいい
キメラアントはいろいろな生物と人間が混ざり合って誕生します。ゆえにその生物の能力や特徴が容姿としても現れています。
ピトーは猫と人間が混ざり合っていてその容姿がなんとも可愛い!(性格や能力はかなり残忍な感じですが…)
容姿だけでなく話し方や仕草までもがかわいい設定として描かれていて、ハンターハンターのキャラの中でもピトーが一番好きとあげているファンもすごく多いです。
また、ピトーの性別については男(オス)なのか女(メス)なのか?という議論がファンの間で交わされています。
ネフェルピトーは、男なのか女なのか?完全解析マニュアル!
ピトーの強さとは
一流のハンターであるカイトを殺害できるレベル!
気になるピトーの強さですが、少なくとも死ぬ気で戦ったカイトを(おそらく遊び半分で)殺せるレベルです。ピトーの楽しそうな表情を見れば、カイトとの戦闘は遊び半分であり、余裕をもって倒せることができた相手だったと伺えます(後述するピトーより格上の相手、ゴンさんには戦慄の表情しかなかった)。
また、後にカイトの身体を修復する際に生まれた能力、「玩具修理者(ドクタープライズ)」も、元はと言えばカイトともっと遊びたいというピトーの希望から生まれた能力でした。つまり、ピトーにとってはカイトは遊び相手であり、問題なく殺せる相手だったのでしょう。
カイトvsネフェルピトー
しかし、あの時のカイトはゴンとキルアを逃がすために片腕を犠牲にしています。カイトが両腕のある万全な状態であれば、どうだったのでしょう?
もし両腕あれば、もう少しは善戦したかもしれませんが、いずれにせよカイト戦で開花したでであろうピトーの「黒子舞想(テレプシコーラ)」を前には、なすすべはなかったと推察します。
余談:カイトの全力の強さはどれくらい?
ピトーが遊びでカイトと戦っていたのは恐らく間違いないでしょうが、そもそもカイトは万全の状態だとどれくらい強かったのでしょうか? 考察してみたいと思います。
まず、確定情報ですが、その後ゴンとキルアが会うハンターのナックルは、ゴンいわく体術はカイトとナックルが同じくらいだと作中で明言しています。
もちろん、これはゴンの主観かもしれませんが、概ねキルアも同意しています(まぁ、この頃のキルアの読みもまだ甘いですが)。
体術はカイトとナックルが互角くらいだという前提で、次にキルアはナックルの精神的未熟さを指摘しています。正直、この時のキルアに精神的未熟さを指摘されるナックルは、明らかに精神的に弱いと判断していいでしょう。
そして、ナックルとカイトの経験値ですが、これはナックルがこれまで数々の戦闘経験の中で相手のオーラ量を数値化して戦ってきたという描写が後にでてくる以上、意外とナックルは戦闘の場数を踏んでいると推測できます。
一方のカイトの方も、ゴンとキルアに戦闘のノウハウを教授するだけの場数と経験はあり、経験値でナックルとカイトが大きく差が開いているということはなさそうです。
次に念能力ですが、こちらはナックルの「天上不知唯我独損(ハコワレ)」より、カイトの「気狂いピエロ(クレイジースロット)」の方が一見戦闘向きに見えますが、後者は後者で運に左右される能力であり、前者も十分に強力な能力のため、両者に決定的な優位性はないと言えそうです。
よって、カイトとナックルはほぼ同じくらいの強さですが、精神面でカイトが有利、というくらいの強さでしょう。
ナックルの師匠としてモラウがあげられますが、師匠だからといって決定的に弟子と実力差があるのかと言えば、精神面以外は完成に近いナックルからしてそんなこともないかもしれません。
しかし、やはりキメラアント討伐隊への参加を保留されていたことを考えれば、イマ一つ実力を不安視されていたのも事実でしょう(本当にほしい人材なら即採用するはず)。
よって、モラウ>カイト≧ナックルくらいの強さだと言えそうです。
では、本題に戻ります。
最強のハンターと言われるネテロ会長でも勝てない?
キメラアント編も中盤に差しかかった頃、久しぶりにネテロ会長が登場します。優秀なハンターであるモラウとノブも連れてきますが、間近でネフェルピトーを見たキルアは、いくらネテロ・モラウ・ノブが強かったとしても、ピトーには敵わないと感じ取ります。
そして、実際にピトーを観察したネテロ会長自身も「あいつ、ワシより強くねー?」と言ってしまう始末。
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ノブはネテロ会長のその発言に対し、最強のハンターであるネテロ会長が勝てないなら、ハンターは誰もネフェルピトーに敵わないことになる、と言いますが、ネテロ会長はノブのそのコメント対しに、自分が世界最強だったのは四半世紀も前のことで、老いた今はモラウとノブと大差ない実力だ、という旨の発言をします。
ただし、この後ネテロ会長の錬を見た時、その時のモラウの発言で、ネテロ会長は自分たち(モラウとノブ)よりもまだ強いという発言があるので、実際はモラウとノブよりもまだ強かったのでしょう。
ネテロ会長の「あいつ、ワシより強くねー?」発言は、ニュアンスから言って勝てるかどうかわからないけど、多分負けそう、というくらいのものでしょう。
つまり、実はこの辺りの実力は拮抗していて、実際にはこの時は、ピトー>ネテロ≧モラウ・ノブくらいの実力差だったのでしょう(ピトーとネテロではこの時点でピトーの方が強いけど、かなり拮抗はしていると仮定)。
ピトーの操作系能力(実際のピトーの系統は特質系)
出典:http://hunterxhuntersmoon.com/
ピトーは操作系能力を得意とするため、実際は操作系寄りの特質系だと推測されます。
そして、ピトーは「玩具修理者(ドクタープライズ)」と「黒子舞想(テレプシコーラ)」の他に、名称不明の操り人形で不特定多数の人間を操る能力があります。
ついにネテロVSネフェルピトー実現!
キメラアント討伐隊が、王のいる宮殿に突入する際、ネテロはゼノの「龍頭戯画(ドラゴンヘッド)」に乗って上空から突入を計ります。
それを確認したピトーは、全力で戦う時に発動(発動時間0.1秒)させるピトーの発「黒子舞想(テレプシコーラ)」で、ネテロとゼノを迎え撃とうとしますが、0.1秒よりもずっと速いネテロの「百式観音」によって弾き飛ばされてしまいます。
ちなみに、この時のピトーも、ネテロとゼノという強者を前にしても戦慄することはなく、むしろ楽しそうな表情を浮かべて迎え撃ちます。本能で相手の実力がわかるピトーは、ネテロとゼノが相手なら、かつてない程に楽しそうな戦いができそうだと思ったのではないでしょうか。
つまり、ピトーからしてみれば、ネテロとゼノは確かに強敵だけど、勝てないレベルではないと本能が告げていたと推察します(余裕がある表情をしていたのと、本能でピトーは相手の実力を誰よりも正しく判断できる力があるため)。
ピトーは、後述する覚醒ゴンには勝てる気がしなく戦慄していたので、おそらくピトーとネテロ・ゼノでは、ピトーの方がほんの少しだけ強かったのでしょう。
また、ピトーに通常の「百式観音」でダメージを与えられていない所を見ると、ネテロも「百式観音 零式」でも使わない限りは、ピトーにまともなダメージを与えられなかった可能性があります。
ネテロとピトーが戦ったとしても、土壇場の対応力も高そうで念能力の成長度も著しいピトーなら、戦闘中に「黒子舞想(テレプシコーラ)」発動・進化させ、ネテロと互角以上に戦った可能性はあります。
また、もし零式でピトーを倒したとしても、その後すぐに死後の念で強化された「黒子舞想(テレプシコーラ)」でネテロはやられてしまうでしょう。
さらに、王の身体に傷つけたに留まった「百式観音 零式」の威力では、ピトーならギリギリの所で持ちこたえた可能性も無きにしも非ずです。
王との戦いを前に修行していたネテロですが、キメラアントの師団長だったコルトは、ネテロの錬磨された錬を見ても、王に触れる前に直属護衛軍の誰かにネテロは殺される、と言っています。
このことから、さすがのネテロでも短期間で王や護衛軍との圧倒的な力の差を埋めるのは難しかったでしょう(ネテロは長期間修行して強くなったタイプであるし、なにより老いもある)。
つまり、宮殿突入時でも、ピトー≧ネテロ>ゼノくらいの強さだと推察できます。
ゼノよりネテロが強い理由は、ゼノの回想シーンもありますが、それよりもピトーが圧倒的に危険な人間として認識したのが、ゼノではなくネテロだったからです。
修行前のネテロとゼノは、実力は同じくらいだったと推察します(泣かされていたというゼノの発言は、主に精神面だと推察)。
ちなみに、ネテロがピトーに対して「そりゃ悪手だろ、蟻んコ」と言ったのは、ピトーの戦闘能力が劣っているからではなく、その戦術はゴミだよ、と言いたかったのでしょう。
ピトーの変化
王の進化に涙するピトー
ゼノの「流星群(ドラゴンダイブ)」により致命傷を負ったコムギを、(ピトーの「玩具修理者(ドクタープライズ)」で)治してくれとピトーに頼む王。
ピトーは、その誰かを想う王の姿に心を打たれ、涙を流すというシーンがありました。
ここは唐突というか、ピトーがコムギのことをどう思っているのか読者や視聴者にイマイチ伝わっていない状態でのできごとだったので(あまりピトーのコムギへの感情は語られていない)、違和感がある部分ではありますが、本能的判断能力に優れるピトーは、王の精神的な進化を感じて涙したのでしょう。
これまで悪役ぽかったピトーが、ここを境に突然情緒的なキャラクターになってくるので、作者の冨樫義博さんも、この辺りで一つの方向転換を図ったのではないかと推察できます。
ピトーの最期
覚醒ゴンの片鱗があるゴンに戦慄
コムギの治療中にやってきたゴンとキルア。自分と戦い、カイトを治せと主張するゴンですが、コムギの命がかかっているピトーは、必至にしばらく時間がほしいとゴンに懇願します。
しかし、カイトを傷つけておきながら他の誰かを治療しているピトーを許せず、ゴンは怒りを爆発させます。そのゴンの怒りはキルアによって沈められますが、その後、ピトーはゴンの潜在能力を感知し、王にも届き得るその力は、なんとしても紡がなければならないと決意します。
最期は覚醒したゴンにたった二発の攻撃でやられる
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カイトは生き返らないということを悟ったゴンは、「制約と誓約」で強制的に自己の最高の状態に成長し、ピトーをたった二発の攻撃で倒してしまいます。
そのあまりの覚醒したゴンの強さに、ピトーは成すすべなくやられ、死後強化された「黒子舞想(テレプシコーラ)」ですら全く通用せず敗れることになります。
ゴンvsネフェルピトー
結局ピトーってどれだけ強かったの?
ピトーの強さですが、曖昧にぼかされてはいますが、今の所、作中最強レベルであったのは間違いないでしょう。
そもそも、人間の念能力者でピトーを倒せるレベルにいるのが、あの世界においても何人いるのでしょうか?
ピトーは作中でもチートキャラであり、回復は「玩具修理者(ドクタープライズ)」、イルミのような操作系能力を持ち、ただでさえ強いのにリスクなく? 限界以上の身体能力を引き出す「黒子舞想(テレプシコーラ)」まであります。
この中で、ピトーの強さに直結する能力は「黒子舞想(テレプシコーラ)」ですが、ただでさえ強いピトーは、テレプシコーラさえ使えば王に届き得るほどの戦闘力を発揮する可能性もあります。
その理由は、作中でゴンの潜在能力を感じ取ったピトーは、ゴンの力は王に届き得ると内心では怯えながら、ゴンを殺さねばならない王のために、と思っています。
つまりこれは、王に届き得る潜在能力を持つゴンを、本気でやれば殺せるとピトーは思っていることになります。全力で戦えば(「黒子舞想(テレプシコーラ)」をつかえば)、自分も王やゴンをなんとか殺せるかもしれない、と言っているようなものです。
そのことから、ピトーの「黒子舞想(テレプシコーラ)」は、王に匹敵するだけの戦闘力があると推察できます。
ピトーは、テレプシコーラさえ発動させてしまえば、王≧ピトーくらいの実力差に埋まり、ピトーの認識では、ゴンは王≧ゴンの潜在能力値、くらいに感じていたのでしょう。そうでないと、「王の喉もとに届き得る」とは思いません。
実際には、覚醒ゴン>>>>>>王>ピトーくらいだったのでしょうが。
まとめ
おそらく人間の念能力者でピトーを倒せる相手は、ほぼいないと言っても過言ではないと推察します。ヒソカレベルでもおそらく無理で(そもそもヒソカは修行前のネテロと同じくらいの可能性)、そう考えると、ジンでももしかしたらピトーに勝つのは難しいかもしれません(ジンの念能力を知っているだろうカイトですら、ピトーを信じられない化け物だと言っていたため)。
しかし、ジンはなにかチートな念能力をもっていそうなので、純粋な戦闘力で王やピトーに劣っていたとしても、本当はなにかとんでもない能力をもっていて、作中最強に躍り出る可能性はありそうです。
ネテロ会長も、全盛期がキメラアント編の倍近い実力があったという話が嘘でなければ、全盛期ネテロは念能力者の中でも比較にならない程に圧倒的すぎて、その頃なら王やピトーにも楽勝だったかもしれませんね。
以上、ネフェルピトーの誕生と最期まで、結局ピトーはどれほどの強さだったのか?でした!
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