傑作の「ロボットアニメ」おすすめランキング30選【保存版】

今回取り上げますのは日本が世界に誇るこれまでの「ロボットアニメ」の歴史より、個人的なオススメ30選です。今年はNHKで特集されたりと、何かとホットな話題です。

なお「機動戦士ガンダム(宇宙世紀)」シリーズ、「装甲騎兵ボトムズ」シリーズ、「超時空要塞マクロス」シリーズ、「新世紀エヴァンゲリオン(エヴァンゲリヲン)」シリーズの4タイトルについてはもはや説明不要と思いましたので、殿堂入り扱いとさせて頂きました。

今回のランキング紹介はただ作品を簡単に紹介するのではなく、主に

  1. ▼あらすじ
  2. ▼物語のメッセージ性(テーマ)
  3. ▼みどころ(楽しむポイント)

これら3つの項目に分けてご紹介していきたいと思います。面白いロボット系アニメの作品であうきっかけにしていただければ嬉しいです。

このランキングと作品の内容への評価につきましては個人の嗜好が大量に含まれておりますので予めご容赦下さい。


傑作の「ロボットアニメ」おすすめランキング 30位~21位




【30位】銀河漂流バイファム

【30位】銀河漂流バイファム

出典:https://www.amazon.co.jp/

媒体:TVシリーズ
放映日:1983年10月21日~1984年9月8日
話数:全46話+OVA3話
おすすめの性別:男・女
おすすめの年代:小学生~10代

▼あらすじ
西暦2058年――地球から遙か四十数光年、イプザーロン系宇宙にある人類の植民惑星「クレアド」が突如謎の異星人の襲撃を受けました。
巨大ロボット兵器の攻撃を受け壊滅する開拓団――人々は軌道上の宇宙ステーションに逃げ込み次々と脱出します。逃げ遅れ残されていた主人公「ロディ・シャッフル」とその弟も逃げ遅れた他の難民や最後まで残留していた軍人たちと一緒に練習用宇宙艦「ジェイナス」に乗り込み、隣の星系にある植民惑星「ベルウィック星」へ向けて脱出します。
しかし異星人の追撃はなおも続き、大人たちは次々と戦死――ようやくベルウィックに辿り着くも、既にその星も異星人の襲撃を受け駐屯していた地球軍は壊滅状態でした。
再度宇宙へ脱出する頃には、大人は考古学者の若き助手ケイトがたった一人だけの状態に。残された13人の子供たちは彼らだけで地球を目指してベルウィックを旅立ちます。
地球へ向かう旅の途中、偶然遭遇した異星人――ククトニアンとの邂逅でロディたちの両親が乗った避難宇宙船がククトニアンの捕虜となり、「ククト星」の衛星「タウト」に収監されていることが判明します。
家族を救出するため、少年少女たちは進路をタウトへと変更。熾烈な戦いの中、13人の子供たちだけの明日なき旅路が始まります――

▼物語のメッセージ性(テーマ)
生き残るための創意や工夫、仲間と力を合わせて困難を乗り越える――協力と協調。喧嘩をしたり甘えたりと平和な日常とシビアな戦場の非日常のギャップが大きな魅力の作品です。
両親と会いたい、その想いだけで過酷な戦場を駆け抜ける上は15歳から下は4歳までの子供たち13人。途中仲間の一人が実は異星人ククトニアンであることが発覚したり、後半のククト星編では自分たちと同じように収監された両親(異星人の中にも反乱分子がいる)に会うため、遠く離れたスペースコロニーから密航してきた異星人の子供たちと「言葉が通じないながらもコミュニケーションし、共に戦う」といった、非常に深いメッセージ性を持っています。
ぜひ今の子供たちに見てもらいたい、そんな名作ロボットアニメです。

▼みどころ(楽しむポイント)
ロボットアニメ版「十五少年漂流記」――等身大の少年少女たちが色々工夫を凝らしながら子供たちだけで宇宙船を運用し、巨大ロボットに乗り込み戦場を生き抜く術を得る、この点が作品の大きなポイントになっています。
元々は機動戦士ガンダムの初期アイデアを流用したそうですが、メイン登場人物である子供たちの年齢をぐっと低く設定し、大人たちを次々と戦死させていくシビアなスタイルを取ったことで他のロボットアニメにない独特の空気感を生み出しています。
登場するロボット兵器「ラウンドバーニアン(RV)」の全身にバーニアがある、大気圏内用の追加装備(固定翼+ブースター)、音声入力対話式コンピューターの導入など、メカニックの設定や演出は後年製作されるリアル系ロボットアニメの機動兵器群の設定に大きな影響を与えています。

出典:Youtube 銀河漂流バイファム

またALL英語歌詞によるオープニングテーマ(しかもドラマパート入り)、アバンタイトルの挿入(OP前に流れるプロローグシーンは毎回その回のダイジェスト)や次回予告の大幅カット(サブタイトルのみ)など、非常に多くの実験的な試みが行われているのも本作の特徴です。
日本のアニメ史を語る上での一つのポイントになっています。

【29位】鋼鉄神ジーグ

【29位】鋼鉄神ジーグ

出典:http://blog.livedoor.jp/

媒体:TVシリーズ
放映日:2007年4月5日~7月12日
話数:全13話
おすすめの性別:男
おすすめの年代:20代~50代

▼あらすじ
前作、初代鋼鉄ジーグこと「司馬宙」と邪魔大王国の激しい死闘――それは阿蘇山を中心とした九州全域に突如謎の時間停止現象「ゾーン」を発生させ、ゾーンに覆われた内部は完全に孤立した状態に陥っていました。
それから50年――時に2025年、九州に近い下関に再び邪魔大王国の尖兵「ハニワ幻神」が出現。主人公「草薙剣児」は新たな「鋼鉄ジーグ」のパイロットに選ばれ、幼馴染の「珠城つばき」、親友の「美角鏡」らと共に邪魔大王国の女王「妃魅禍」率いるハニワ幻神との戦いに挑むことになります――

▼物語のメッセージ性(テーマ)
前作「鋼鉄ジーグ」から50年後の完全地続きという設定でお送りする新時代ロボットアニメ。ただしTVアニメ版の「鋼鉄ジーグ」の続編ではなく、安田達矢作画で「テレビマガジン」誌上で連載されたマンガ版の続編という位置づけです。(TVアニメ版では妃魅禍が途中で死亡しているため)
熱血主人公やヒロインの性格設定、お色気シーンの方向性など、1970年代から1980年代にかけての永井豪作品を彷彿させる作風を前面に打ち出しており、メカデザインも前作のものを発展改良した設定。デザインこそ新鋼鉄ジーグや最終回で登場する鋼鉄神ジーグは今風になっていますが、旧鋼鉄ジーグのオプションパーツがそのまま換装・装着出来る点がドラマ上のミソにもなっています。

▼みどころ(楽しむポイント)
何と言っても終盤で前作「鋼鉄ジーグ」の主人公「司馬宙」が救助されてからの展開は見処の一つ。かつての宙がかつてのパートナー「美和」と再会するシーンは思わず涙ぐんでしまいます。
また復活したWジーグが揃い踏みする12話の一連のシーンはまさに圧巻。これぞ前作キャラの客演出演の見本!ともいうべきカッコ良さに満ち溢れています。

出典:Youtube 決戦、Wジーグ!

他にも細かい点でスターシステムが使われており、永井豪原作の様々な作品からキャラやメカが客演しています。
中でも物語の後半から登場する巨大な白い虎型のロボット(宇宙サイボーグ)「破瑠覇(バルバ)」は永井豪の幻の名作「電送人バルバー」のバルーがモデル。当初こそ剣児に襲い掛かりますが、彼の力と覚悟を見極めてからは良きパートナーとなり、ジーグと共に戦うことに。合体時は前作におけるパーンサロイド形態やマジンガーZに登場するゴーゴン大公に似た人獣一体の4脚形態になります。
最終話ではジーグと融合合体、鋼の神「鋼鉄神ジーグ」へと進化しています。

【28位】地球防衛企業ダイ・ガード

【28位】地球防衛企業ダイ・ガード

出典:https://plus.animax.co.jp/

媒体:TVシリーズ
放映日:1999年10月5日~2000年3月28日
話数:全26話
おすすめの性別:男・女
おすすめの年代:20代~30代

▼あらすじ
西暦2018年、突如日本に出現した謎の物体「ヘテロダイン」――このヘテロダインに対して軍は総攻撃を敢行するものの効果が無く、最終的にはOE兵器(Over-Explosionの略で核兵器みたいな超強力な兵器)の使用により周囲一帯を汚染地帯にするという大惨事をもたらしつつも何とか事態を終息させることに成功します。
以降ヘテロダインの再来に備え、これを撃退するため国連安全保障軍(安保軍)は巨大スーパーロボット「ダイ・ガード」を開発。事件後に制定された「界震災害関連法」に基づき、安保軍の対ヘテロダイン部隊は民営化され、対ヘテロダインを主目的とした民間警備会社「21世紀警備保障」に移管されます。
しかし、その後12年間ヘテロダインが一切出現しなかったこともあり、ダイ・ガードは無用の長物と化し、巨大ロボットの維持管理費も企画開発部「広報2課」が広報活動の一環として行うようになっていました。
しかし西暦2030年――熱海に突如としてヘテロダインが出現。偶然現場に居合わせたダイ・ガードは避難命令を無視して出動。
以降続々出現するヘテロダインに対し、21世紀警備保障の社員にしてダイ・ガードのパイロットである「赤木駿介」「桃井いぶき」「青山圭一郎」ら3人は、災害支援・避難誘導の名目で界震災害――ヘテロダインとの戦いに出動するのでした。

▼物語のメッセージ性(テーマ)
サラリーマンだって、平和を守れるんだ!――巨大ロボットが民間企業によって運営維持管理されるという、無敵ロボ・トライダーG7のコンセプトを、より現代的に、お洒落な大企業風にアレンジした作品。どことなく機動警察パトレイバーのコンセプトに通じるところもあります。(あちらは公僕ですが)
出動のため稟議書や決済書など大量の書類(と決済判)が必要だったり、修理や新兵器の開発の資金面が問題になったりと、従来のスーパーロボット物で見られなかった世知辛い社会の厳しさを入念に描いた作品です。
パイロットや整備員、開発者以外にも広報課に所属する課員や重役、安保軍など非常に多くの人物が登場する、まさに巨大ロボットを取り扱う企業活動を描いた群集劇といった内容になっています。

▼みどころ(楽しむポイント)
対ヘテロダイン用に開発されたスーパーロボット「ダイ・ガード」ですが、ぶっちゃけ弱いです。しかしその弱さこそが最大の魅力と言ってもいいでしょう。
頑丈そうな巨体に見合わず出力は非力、装甲は一般車両並にベコベコ。固定武装は一切無く、出動には腕部・胴体・脚部を一度バラバラに分解して現地に搬送、専用トレーラーで専用ハンガーを即席で組み上げ、各部パーツをクレーンで吊るして現場で組み立てていくという仕様。戦闘運用には非常に多くの支障があったため、中盤12話にて合体分離方式の小型マシン3機への変形ギミックが施されています。
最初は戦闘力・防御力共に非力だったダイ・ガードですが回を追うたびに強化され、構造材の強化や武装・新機能の追加が行われています。
最初から強い無敵のスーパーロボットではなく、会社員であることに悩むパイロットたちと一緒に成長していくロボット――それがダイ・ガードの大きな魅力のひとつとなっています。

出典:ニコニコ動画 合体&戦闘シーン その1

【27位】機動天使エンジェリックレイヤー

【27位】機動天使エンジェリックレイヤー

出典:https://www.tumblr.com/

媒体:TVシリーズ
放映日:2001年4月1日~9月30日
話数:全26話
おすすめの性別:男・女
おすすめの年代:10代~20代

▼あらすじ
「天使(エンジェル)」と呼ばれる機械人形を卵状の容器から孵し、それを自分だけの天使として育て、戦わせる新感覚の格闘ゲーム――それが「エンジェリックレイヤー」です。
特殊な回路を通じて操縦者であるプレイヤー――「デウス」のイメージしたものを受け取り、その通りに稼動する天使。
中学進学のために上京した「鈴原みさき」は偶然見かけたエンジェリックレイヤーに魅了されます。謎の人物「いっちゃん」に導かれ、天使の卵を購入したみさきは、生まれた天使に「ヒカル」と命名。早速公式トーナメントに参戦します。
みさきは持って生まれた才能を発揮――初出場ながら次々と相手を倒していく。

▼物語のメッセージ性(テーマ)
CLAMP原作のマンガからのアニメ化作品。いわゆるプラモ狂四郎やプラレス3四郎、近年ではガンダムビルドファイターズやダンボール戦機などに代表される「ホビー系小型対戦ロボットアニメ」です。
ただし今作ではメカニカルな要素より対人関係や対戦格闘の部分に重きが置かれ、製作や改造といった要素はほとんどありません。
特訓や友情、友誼関係といった部分がフィーチャーされ、ロボットアニメ的、機械的なギミックはほとんど生かされていません。
逆に言えば、それはそれでこの作品の持ち味になっています。

▼みどころ(楽しむポイント)
CLAMPのスターシステムを使用しており、みさきのヒカルは同じCLAMP原作の魔法冒険活劇、かつロボットアニメでもある「魔法騎士レイアース」の主人公、「獅堂光」がモデル。
ちなみにこのエンジェリックレイヤー自体も、同じCLAMP原作とする等身大ロボット(パソコン)が多数登場活躍するロボット作品、「ちょびっツ」と同一世界軸のお話だそうです。
物語自体は基本的に格闘スポ根物に区分されるお話で、少女同士の友情や恋物語が描かれていきます。

出典:エンジェリックレイヤーOP

【26位】マジンガーZ対暗黒大将軍

【26位】マジンガーZ対暗黒大将軍

出典:https://pbs.twimg.com/

媒体:映画
放映日:1974年7月25日
話数:全1話
おすすめの性別:男
おすすめの年代:30代~60代

▼あらすじ
宿敵Dr.ヘルを倒し、平和を取り戻した兜甲児とマジンガーZ。しかし平穏な時も束の間、ある日突如として世界各国の主要都市を謎の巨大ロボット軍団が襲います。
彼らこそ「ミケーネ帝国」――「暗黒大将軍」が送り込んだ「戦闘獣」軍団の先遣隊だったのです。
ニューヨーク、ロンドン、パリ、モスクワを壊滅させたその魔の手はついに日本にも伸び、戦闘獣の東京襲撃の連絡を受けて出動したマジンガーZでしたが、新たな敵の戦闘力はDr.ヘルの機械獣を遥かに凌駕、大苦戦を強いられます。
何とか戦闘獣を退けたものの、マジンガーもかつてない大ダメージを負ってしまいます。
さらにはその頃、光子力研究所も別の戦闘獣軍団の襲撃を受け、ダイアナンAは大破。研究所も倒壊、甲児の弟シローも重傷を負ってしまいます。
シローへ大量の輸血を行ない最悪のコンディションの甲児。研究所が破壊されたため修理もままならない傷だらけのマジンガーZ。そんな彼らの前にミケーネ帝国が誇る「七つの軍団」の新たな戦闘獣軍団が現れます。
死を覚悟し出撃する兜甲児。砕け、溶け、切り刻まれていく超合金Z――この絶体絶命のピンチに果たしてにマジンガーZの運命は……。

▼物語のメッセージ性(テーマ)
男には負けると分かっていても戦わねばならない時がある――そんな格言を地で行く熱血王道ロボットアニメのド真ん中。
兜甲児というキャラクターはいわゆる典型的な(古臭い)直情型の熱血ヒーローと思われがちですが、今作では圧倒的なミケーネの戦力を前に恐怖を口にしたり、ナイーブな面を見せています。
また日本のロボットアニメ史上初といえる2号ロボ「グレートマジンガー」の登場劇、主役交代をよりセンセーショナルに描いた作品です(実質的には番組交代の前倒しお披露目ですが)、初にして究極とも言える完成度の高さを誇っています。
まさに「巨大ロボットアニメのフォーマットはマジンガーZが作り出した」の究極の姿がこの映画に集約していると言っても過言ではないでしょう。

▼みどころ(楽しむポイント)
まさに伝説――日本のロボットアニメの金字塔「マジンガーZ」。その魅力がわずか70分余りに凝縮された至高の作品がこの作品です。
何と言ってもポイントは主役交代――無敵の超合金Zに包まれたマジンガーZが容赦なく切り刻まれ、砕け溶かされていく点。
満身創痍のボロボロになりながらも必死で戦うその姿は、ロボットだと分かっていても痛々しく、だからこそカッコ良く目に焼き付きます。

出典:Mazinger Z vs Ankoku Daishogun

そしてマジンガーZのピンチに颯爽と登場するグレートマジンガー。その圧倒的な戦闘力でミケーネの戦闘獣をなぎ倒すグレートのカッコ良さに燃えない男の子はいないでしょう。

【25位】機甲界ガリアン

【25位】機甲界ガリアン

出典:https://twitter.com/

媒体:TVシリーズ
放映日:1984年10月5日~1985年3月29日
話数:全25話
おすすめの性別:男
おすすめの年代:20代

▼あらすじ
惑星アーストに3000年の歴史を誇るボーダー王国はおりしも嫡子誕生に沸いていました。しかし突如「征服王マーダル」率いる人馬兵の軍勢が侵攻――圧倒的な戦力の前に城は陥落、ボーダー王も戦死してしまいます。
王の忠臣アズベスと共に辛くも城を脱出した王妃フェリアでしたが追っ手に捕らわれてしまいます。なんとか幼き王子「ジョルディ」だけはアズベスの手によって脱出することに成功。以後アズベスの孫「ジョジョ」として育てられることに……。
アズベスはジョジョを育てながらアーストの伝説に残る「鉄巨人」を捜し求める放浪の旅を始めます。
そして12年――反マーダル勢力が立てこもる白い谷にたどり着いたアズベスとジョジョは時同じくして白い谷を攻めるマーダル軍の猛攻に晒されます。
戦いの中、白い谷の指導者の娘チュルルに導かれ谷の奥を訪れたジョジョはいにしえの鉄巨人「ガリアン」を発見。動かすことに成功します。
こうして12歳の若き王子ジョルディ・ボーダーと征服王マーダルの長く激しい戦いが始まったのでした。

▼物語のメッセージ性(テーマ)
物語の基軸はファンタジー王道の「貴種流離譚」――かつて悪い帝国に滅ぼされた亡国の王子が仲間を率いて立ち上がり、国を再興する物語。王道であるがゆえに非常にわかりやすく、また登場する各個々人の行動原理もとても明快です。
しかしラスボスであるマーダルにも確固たる正義と信念があり、それが提示されることで単純な正義対悪ではない物語要素を打ち出しています。

▼みどころ(楽しむポイント)
装甲騎兵ボトムズの高橋良輔が描く中世ファンタジーの世界観にSF要素を組み合わされたロボットアニメですが、何と言ってもその魅力は圧倒的な重厚感たっぷりなメカ、そしてそれに負けないハードな世界観でしょう。
ファンタジーと一言に言っても「聖戦士ダンバイン」のような幻想的なファンタジーではなく、鉄と血の匂いがむせる騎士戦記風のファンタジーな点がポイント。どこまでも富野由悠季と対称的な高橋監督です。
西洋甲冑風の「鎧」を意識したデザインの「機甲兵」は同じ鎧をモチーフとしたマジンガー等とは別の意味で重厚感かつ洗練された力強さを出しており、後年の様々な作品に大きな影響を与えています。これらのデザインにはメカデザイナー出渕裕の真骨頂が十分に発揮されており、マーダル軍の象徴でもあるケンタウロス型の機甲兵「人馬兵プロマキス」などはその最たるものでしょう。
また主役機ガリアンが使う「ガリアン・ソード」はその特異な形質(剣身が複数の楔状に分離し、蛇腹状に結ばれて鞭やワイヤーソーとしても使用出来る)もあいまって、後の多くの創作作品に多大な影響を与えています。

出典:『機甲界ガリアン』Blu-ray BOX PV

【24位】THE IDEON(伝説巨神イデオン)接触編・発動篇

【24位】THE IDEON(伝説巨神イデオン)接触編・発動篇

出典:http://animesongz.com/

媒体:映画
公開日:1982年7月10日
話数:全2作
おすすめの性別:男
おすすめの年代:10代~40代

▼あらすじ
西暦2300年――地球人類が外宇宙へ移民を開始して長い月日が流れた遥か未来。地球人が移民を行っていたアンドロメダ星雲の植民星「ソロ星」では異星人文明の遺跡が発掘されていました。
地球人が外宇宙に進出して出会った6つ目の文明――それゆえにその遺跡を築いた異星人のことは「第6文明人」と呼ばれるようになります。
一方同じ頃、伝説に残る無限エネルギー「イデ」を探索するため惑星「ロゴ=ダウ(地球がソロ星と呼ぶ星)」を訪れていた異星人「バッフ・クラン」は、ソロ星に移民していた地球人と接触――さらには無思慮と誤解、相互の疑心暗鬼から武力衝突へと発展してしまいます。
主人公「ユウキ・コスモ」ら移民団や遺跡調査団の人間が乗り込んだ第6文明人の遺跡は合体し、巨大な人型ロボット「イデオン」となってバック・フランの戦闘メカを破壊。地球人たちはイデオンで応戦しつつ、同じく発掘された宇宙船「ソロ・シップ」に乗り込み、宇宙へ逃れます。
しかしそのロゴ=ダウの遺跡こそ無限力「イデ」が秘められていると考え、またバッフ・クランの貴人「カララ」を避難民として乗せたソロ・シップを追うバッフ・クラン軍。ソロ・シップの流浪と逃走の日々により、事態は惑星表面の局地紛争から星々の星間戦争、ついには地球対バッフ・クランの全面戦争へと発展してしまうことになってしまうのでした。
ただ安住の地を求め彷徨うソロ・シップでしたが、地球人側からは厄介者だと思われ、そして無限力「イデ」を恐れるバッフ・クラン側からは危険視され執拗な追跡を受けます。
様々な人間模様が繰り広げられる中、次第に「イデ」は目覚めていき――それはやがて大いなる一つの結論を導き出すのでした……。

▼物語のメッセージ性(テーマ)
巨大ロボットアニメの世界に哲学性を持ち込んだ、ある意味日本のアニメのターニングポイントになった「問題作」です。
当時子供向けとして製作されていたロボットアニメにあって、比較的高い年齢層(アニメファン向け)を意識して作られた結果でもありますが、その結果凄惨とも言えるハードかつグロい描写が展開。圧倒的に容赦のない、救いようのないドラマが繰り広げられることになります。

出典:劇場版イデオン 予告

劇場版ではTV版で抑えられていた演出がさらに炸裂。続々と死んでいく敵味方双方のキャラクターたち。それにともない覚醒していく無限力「イデ」――熱血や努力も無く、正義や悪すら無く、ただ生と死、愛と憎しみだけが存在する、それゆえに「純粋な」ロボットアニメの物語。怒りと歓びの果てを描き出すことに成功しています。

▼みどころ(楽しむポイント)
お世辞にもオシャレでカッコ良いとは言えないデザインの巨大ロボット「イデオン」ですが、3機の小型マシンがそれぞれ単体で車形態・飛行機形態に変形、さらには合体して巨大ロボットになるという、時代と共に恐竜的進化を遂げてきたスパロボメカアクションの一つの頂点と言っても良いデザインでしょう。またこれらのメカを「遺跡」と設定した富野由悠季監督も凄いです。
惑星をぶった斬るイデオンソードや、艦隊を薙ぎ払うイデオンガン(波導ガン)など、当初は殴る蹴る、全身に搭載されたミサイルランチャーから一斉発射する全方位攻撃(全身の数カ所に設置されたビーム砲)くらいしか武器の無かったイデオンが、イデの目覚めと共に神――あるいは悪魔の様な力を振るう姿が、その無機質で無骨なデザインとあいまって怖さすら感じます。実際イデオンの咆哮は恐ろしいですが。
物語のラスト、最終兵器ガンド・ロワとイデオンの最終決戦は人の業との決着と重なって、まさに圧巻の一言と言えるでしょう。
ロボットアニメ好きならロボットアニメの歴史を押さえる上でもぜひ必見の作品です。

【23位】フルメタル・パニック?ふもっふ

【23位】フルメタル・パニック?ふもっふ

出典:http://mistranslationdialy.blog49.fc2.com/

媒体:TVシリーズ
放映日:2003年8月~12月
話数:全12話
おすすめの性別:男・女
おすすめの年代:10代~20代

▼あらすじ
いかなる国家にも属さない「軍事力による平和の維持」を目的に掲げる秘密傭兵組織「ミスリル」。
彼らは軍事的な緊張状態にある紛争地帯に出没し、戦乱の拡大を抑えることを目的としており、大型潜水艦「トゥアハー・デ・ダナン」や最新鋭の人型ロボット兵器「アーム・スレイブ(AS)」などを保有。戦乱の拡大を画策するテロリストや独裁政権の元に送り込み、極秘裏に殲滅していました。
そんなミスリルの「特別対応班(SRT)」に所属する最年少エージェント「相良宗介」は、上層部の命令で日本は都立陣代高校に生徒として潜入、仲間と共に「千鳥かなめ」という少女の護衛を秘密裏に行う特別な任務を与えられます。
幼少時から孤児として中央アジアでゲリラや傭兵として激戦地を渡り歩いてきた宗介は、平和な日常常識が皆無。全く日本の「普通の生活」に馴染めません。ひたすら失敗を繰り返し、かなめに迷惑をかける始末。
最初はただのミリオタ扱いされ、避けられていた宗介でしたが、少しずつ2人の関係は打ち解けていき……。
しかしかなめには重大な秘密がありました。それは「ウィスパード」――ASを始めとするブラックテクノロジーと呼ばれる超技術に関連すること。これにより否が応でも彼らは世界の根幹の秘密に関わっていくことになります――

▼物語のメッセージ性(テーマ)
アニメ1期の後に製作された原作の短編シリーズのアニメ版。そのため本来の原作シリーズが持っているシリアス要素はほとんどなく、アニメ第2期という扱いもされていません。
あくまで番外編扱いで「学園ラブコメ」をメインとした作品がこちらの「ふもっふ」です。
ただし本編が現実の政治、世界情勢を織り込んだシリアスなロボットアニメなだけにかえって笑いが引き立っています。
なお学園ラブコメですが、ちゃんと本来の戦闘ロボットであるASが活躍(?)する話や新型ASが登場する話もありますのできちんとロボットアニメしています。
ただし残念ながらロボットアクションライトノベルが原作でありながら、ロボットが一切登場しない回もあるのですが……。

▼みどころ(楽しむポイント)
独立した短編エピソードですので本編を知らなくても楽しめますが、やはりより楽しむのであればぜひ本編シリーズを視聴してからが良いと思われます。
中でも10話「仁義なきファンシー」は超小型AS「ボン太くん」と量産型ボン太くんが大活躍する傑作編。恐らくパイロットが乗り込む戦闘ロボット兵器(ほとんどアイアンマン等のパワードスーツに近い)としてはミニマムのサイズでしょう。
しかしその溢れんばかりの魅力と戦闘力はまさに恐れるにふさわしい存在です。

出典:ニコニコ動画 ふもっふ名場面後編

【22位】機動警察パトレイバー(OVA第一期シリーズ)

【22位】機動警察パトレイバー(OVA第一期シリーズ)

出典:http://sokoani.com/

媒体:OVAシリーズ
リリース:1988年4月25日~1989年6月25日
話数:全7話
おすすめの性別:男
おすすめの年代:20代~40代

▼あらすじ
近未来――ロボットテクノロジーの発達によって登場した汎用多足歩行型作業機械「レイバー」。急速に発展・普及し、軍事・民生を問わずあらゆる分野で使用されるようになったレイバーは、だがその反面レイバーによる事故はもちろん、レイバーを使用した様々な犯罪も多発、社会問題となった。
これら「レイバー犯罪」に対応するため、警視庁警備部は特車2課を新設――パトロールレイバー、通称「パトレイバー」の誕生である――
東京湾の埋立地、人里離れた僻地に建設された特車2課施設には新たに新設された第2小隊の面々が集合します。新小隊編成に当って警視庁はパトレイバー専用の最新機種である「篠原重工製98式AV(Advanced Vehicle)“イングラム”」が導入されます。
ところがその新型レイバーを与えられたのは現職の巡査1名を除いては、予備校を出たばかりの経験はゼロに等しい者ばかり――隊長からして、「精鋭になるかはたまた独立愚連隊になるか…」と言わしめた問題児集団だったのです。
こうして、後に非難と賞賛を浴びる特車二課、パトレイバー第2小隊が誕生したのでした。

▼物語のメッセージ性(テーマ)
誰も死なない明るいロボットアニメがテーマ。あくまでも一般的な警察業務の延長であり、主要な登場人物(警察関係者)は当然皆公僕、篠原重工など企業に属する会社員ばかりで話が進行する、いわゆる「お仕事アニメ」のジャンルに属します。
初期のOVAシリーズではまだ後続のシリーズと較べて具体的な世界観や方向性はそれほど固まっていない状態で、毎回ごとに異なるアプローチで物語を展開しているのが特徴です。
それでも後々固まっていく特車2課独特の「ゆるい空気」や「いざという時はシリアスに職務を全うする」といったプロフェッショナルな描写がきちんと描かれています。

▼みどころ(楽しむポイント)
毎回異なるテイストで物語が展開する、非常にバラエティ溢れる内容になっているのがポイント。内容的には荒削りな部分も多々ありますが、その荒削りな部分にもまたその時代特有のパワーを感じさせる部分でしょう。
この後コミック版や劇場版、テレビシリーズ版と安定した内容になっていきますが、個人的にオススメしたいのは後の映画「機動警察パトレイバー 2 the Movie」の原案、モチーフとなっている初期OVAシリーズの5~6話の前後編「二課の一番長い日」です。
思考と推理のサスペンスタッチで進む物語――クーデターを未然に防ぐ、警察を舞台にしたならではの。ロボットアクション作品になっています。

出典:パトレイバーアーリーデイズOP

【21位】銀河機攻隊マジェスティックプリンス

【21位】銀河機攻隊マジェスティックプリンス

出典:リンクテキスト

媒体:TVシリーズ
放映日:2013年4月~9月
2016年9月(特別編)
2016年11月4日(劇場版公開)
話数:全24話+特別編1話+劇場版
おすすめの性別:男・女
おすすめの年代:10代~20代

▼あらすじ
地球暦2110年――宇宙へ進出した地球人類に対して謎の勢力「ウルガル」が攻勢を開始します。
滅亡の危機に陥る地球。これに対して全地球防衛軍「GDF」は遺伝子操作で戦闘に特化した人種を作り出すという「MJP計画」を推進します。
特務機関MJP傘下にある養成機関「グランツェーレ都市学園」に在籍する子供たちの中から選抜された5人の少年少女たち――通称「チームラビッツ」はウルガルと戦う派遣艦隊の撤退を支援するため最前線である木星圏に配属。最新の戦闘デバイス「アッシュ」に乗り込むチームラビッツの面々。
個々の能力には秀でてはいるものの、協調性やチームワークは最悪。その結果シミュレーションにおける成績は学園最低で「ザンネン5」の異名で呼ばれるほどでした。しかしなぜか初陣の結果は友軍の撤退成功に加え、敵部隊の撃退にも成功するという予想外の戦果をもたらします。
士気向上のプロパガンダも兼ね、GDFの対ウルガルの切り札として様々な任務に赴くこととなったチームラビッツはやがてウルガルと初の本格的な激戦となる「ケレス大戦」にも参加することになり、そこで「アッシュ」と己の遺伝子に秘められた秘密を知らされることに――

▼物語のメッセージ性(テーマ)
ザンネンだっていいじゃない――経験豊富な監督の元永慶太郎と機動戦士ガンダムSEEDシリーズや蒼穹のファフナーなどで知られる平井久司キャラデザインによる、一見定番のリアル戦記風ロボットアニメに見えますが、実際の本編はかなりウィットに富んだコメディ要素満載のロボットアニメ。
特にケネス大戦編に入るまではメインの登場人物たち5人に学生気分が抜け切れておらず、学園コメディ系ロボットアニメみたいなノリです。
そんな見た目の明るさや華やかさとは裏腹に、物語のバックボーンや設定自体はかなりハード。ダーク領域に片足突っ込んだ感もあり、特にMJP機関で養成される子供たち(学園の生徒たち)は入学前の記憶を消されているなど、作中本人たちは意に介していませんが、かなりギリギリの部分を攻めています。

▼みどころ(楽しむポイント)
フルCGによる高速アクションと2Dアニメ(キャラクターの描写)の両立・融合が一つの見処でしょう。
特にロボット描写はF1のピット作業をイメージしたそれぞれの各専用アッシュに合わせたセッティングや発進シーケンスの演出が行われています。
キャラクターの個性と各メカのシンクロ、ガンダムやマクロスといった近年メインストリームになっている汎用機や量産機のリアルロボット路線ではなく、各パイロットに合わせた専用機がパイロットの個性に合わせてさらに覚醒、強力にパワーアップするといったメカと人物のさらなる一体化が図られています。
覚醒した超・超高速メカアクションはまさにみどころの一つです。

出典:RED5覚醒

次は、20位~11位までをご紹介!!
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